α酸(アルファ酸)とは?
α酸(アルファ酸)とは、ホップに含まれる苦味のもとになる成分です。
ホップの毬花(まりばな)にある「ルプリン」と呼ばれる黄色い樹脂状の粒の中に含まれています。
このα酸そのものは水に溶けにくいため、ビールの醸造工程で煮沸(にふつ)されることで「イソα酸」に変化します。このイソα酸がビールの液体に溶け込み、特有の苦味を生み出します。
つまり、α酸は「苦味の原料」で、煮沸によって「苦味の主成分」に変わるという流れです。
名称 | 状態 | 役割 |
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α酸 | ホップ中に自然に含まれている | 煮沸で苦味の成分に変わる前の素材 |
イソα酸 | 煮沸によりα酸が変化した状態 | 実際にビールに苦味を与える主成分 |
ホップ品種によってα酸の含有量は異なり、多いものほど「ビターホップ」として扱われやすいです。苦味の強いビールには、このα酸がたっぷり使われています。
補足:α酸という言葉の使われ方
α酸という言葉は複数の分野で使われますが、それぞれ意味が異なります。
分野 | α酸の意味 | 具体例 |
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ビール・ホップ | ホップ中の苦味成分。 イソα酸に変わって苦味を出す。 | マグナムホップには 高濃度のα酸が含まれる |
化学全般 | 分子構造の一部を示す名前 として使われる | α-リノレン酸 α-アミノ酸など |
健康食品・サプリ | 植物由来の苦味・抗菌成分 として紹介されることがある | ホップエキスに含まれる α酸は抗菌作用がある |